第13回目 「死刑台から教壇へ」 康 宗憲(早稲田大学客員教授)

講座内容を紹介した神戸新聞の記事です。
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康 宗憲
以下は講座のレジュメです。

講座「死を考える」

2011.10.10 康 宗 憲

 

死刑台から教壇へ死と対峙して学んだこと

はじめに韓国併合100年が過ぎて…

1909.10.26の伊藤博文と安重根。安重根はテロリストか? 構造的暴力と抵抗暴力

・吉田松陰・福沢諭吉の「征韓論」と安重根の「東洋平和論」

安重根の死刑執行(19103月)、大逆事件の12人に死刑執行(19111月)

 

在日朝鮮人青年としての苦悩と葛藤

・過去を反省しないかつての植民地宗主国で、分断国家の海外同胞として生きる若者たち

民族的なアイデンティティーを確立することが極めて困難

・民族的な目覚め、民族差別が横行し自己実現の困難な日本社会

より良い社会への希求:人間の尊厳が等しく息づく社会、すべての人間が等しく尊重される社会

祖国の民主化、平和統一への願いを共有し実践すること

 

韓国民主化の過程における生と死

1970.11.13、働く者の尊厳を固守するために:チョン・テイル(全泰壱)の生と死

1975.4.9、軍事独裁政権の虐殺行為:人民革命党事件の8名に死刑執行

1975.4.11,ソウル大生キム・サンジン(金相鎮)の良心宣言と割腹自殺

1979.1.26、軍事独裁政権への審判:パク・チョンヒ(朴正煕)の生と死

*韓国民主化運動:自らの生命を捧げても、目的達成の手段としてテロを容認しなかった

 

ソウル大学での青春-民主化運動への参加と投獄-

197511月、国軍保安司令部に連行され「母国留学生スパイ団事件」の首謀者として起訴

なぜ、独裁権力は拷問を加えるのか? 人間の尊厳を最も残忍に蹂躙する暴力

・死刑を求刑した検事の論旨=反共を国是とする体制下で、生存を許容できない者

死刑囚の日々:死の恐怖、死の意味、死を受け入れること…。

・手錠からの解放(無期懲役に減刑)、仮釈放の自由(1988.12.21)。13年間の収監生活で学んだこと

耐えること、待つこと、愛すること:囚人としての生存、人間としての生活

 

終わりに韓国社会が民主化の過程で得たものは何か? 日本は?

・人間の尊厳、共同体社会への意識:死刑制度廃止への共感、良心的兵役拒否への理解

・在日する(永住する)「資格」と「権利」と「許可」:平和憲法→人権憲法、国民→市民、住民

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